GALLERY | CHIAKI
知秋の日々
研究室の外の知秋。数字のない時間の記録です。
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あたりは一つ 一葉のクッキー缶。一枚だけ中身がわさび。
一葉(研究員)先生、チョコクッキーです。どうぞ。
一葉(研究員)……一つだけ、中身がわさびなんですけど。
知秋(教授)なんだ。あたりが一つしかないのか。 -
わさび山 回転寿司。皿の数より、わさびの量のほうが先に限界に来た。
一葉(研究員)先生、わさびは薬味です。主食ではありません。
知秋(教授)比率の問題だ。一貫に一山、それがわたしの標準だ。
一葉(研究員)その標準、全国平均からどれだけ離れているか計算しましょうか。 -
釣れない 川辺で半日。浮きは動かない。標本が小さいと結論は出ない、と言い張る。
一葉(研究員)先生、ところで、おいくつなんですか。
知秋(教授)情報棟で調べたまえ。
一葉(研究員)情報棟にあるのは県や町をまとめた数字だけで、個人の情報はないですよね。
知秋(教授)うむ。だから分からん。 -
七味は多めで 町のラーメン屋。瓶が空になるまで振る。店主はもう何も言わない。
一葉(研究員)先生、このごろ辛いものの統計ばかり引いていませんか。
知秋(教授)食の統計は重要だ。君こそ、甘味の表を引くときだけ口数が三倍になる。
一葉(研究員)……あれは、データが豊富なので。 -
片手で昼食 三つの画面を見ながら、袋のまま。皿を出す時間が惜しい日。 -
寝落ち 研究室のソファで。計算を回したまま、靴だけ脱いで。